HC染料は、塩基性染料と同様に2001年(平成13年)の化粧品規制緩和により企業が安全性を確認することで配合が可能になった染料で、カラートリートメントなどの使い続けることで徐々に染め上げるような製品などに配合されています。
HC染料のHCとは「ヘアカラー/Hair Color」という意味で、構造的には二トロ染料と同じ部類になり、プラスやマイナスの電荷を持たない染料で、比較的分子量は小さいという特徴を持ちます。
電荷を持たないため、塩基性染料と同様にカチオン成分を配合したトリートメント類に配合することが出来ます。
塩基性染料はプラスの電荷を持つ比較的大きな分子ですので、毛髪表面のケラチンタンパク質のマイナス部分とのイオン結合で染着しますが、イオン性を持たない比較的小さな分子のHC染料は毛髪内部に入り込み、分子間力で染着します。
分子間力は大変弱い力ですので、長期間染料を毛髪内に留めておくことは出来ないため、HC染料による染毛色は比較的褪色は早い(通常、1週間程度)のですが、染毛時に手指や頭皮に染まり付かないという特徴を持ちます。
*塩基性染料は毛髪表面及び周辺にイオン結合で染着する。
HC染料は毛髪内部まで入り込み、分子間力で染着する。