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重炭酸アンモニウム(炭酸水素アンモニウム)

水に溶かすとpHがアルカリ性を示す化合物を一般的に「アルカリ剤」と言いますが、化粧品や医薬部外品によく使われるアルカリ剤は、アンモニア水などの「アンモニア」、モノエタノールアミンや、トリエタノールアミンなどの「アミン類」、そして「中性塩」などがよく使われます。

「中性塩」のひとつに「重炭酸アンモニウム」があります。略して「重炭安」とも言いますが、化学名は「炭酸水素アンモニウム」で、組成式はNH4HCO3で表します。重炭酸アンモニウムは、アンモニアを炭酸と言われる酸で中和したもので、これ自体はほぼ中性を示しますが、水溶液中では、アンモニウムイオン(NH4+)が別れた状態で存在し、弱いアンモニア臭を発し、弱アルカリ性を示します。

重炭酸アンモニウムは加熱する(70℃)ことで、アンモニア、二酸化炭素、水の3つの物質に分解されます。二酸化炭素の気体を発生させることから、食品の膨張剤としても古くから使われています。

このように重炭酸アンモニウムは、水に溶かすと弱アルカリ性を示すことから、パーマ剤第1剤のアルカリ剤としてよく使われています。この重炭酸アンモニウムは、配合量を増やしていってもアルカリ度は上がりますが、pHはあまり高くなりません。
そのため、中性パーマ剤や低pHパーマ剤と言われている製品の多くは、主としてこの重炭酸アンモニウムがアルカリ剤として使われています。

ただし、重炭酸アンモニウムだけを単独で使うことは少なく、他のアルカリ剤と組み合わせて使用されているパーマ剤が多いようです。

これらのパーマ剤は、ウェーブ力は弱いものの、反応が穏やかでオーバータイムの心配が少なく、頭皮、手指への刺激が比較的少ないのが特徴になります。

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