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塩基性染料

2001年(平成13年)の化粧品の規制緩和により、企業が安全性を確認することで様々な成分が配合可能となりました。化粧品の染毛料に使用される塩基性染料もその一つです。

塩基性染料は、分子構造中に塩基性、つまりプラスの電荷を持った染料(色素)を指し、比較的分子が大きいという特徴を持ちます。そして、全成分表示の名称では、塩基性青99、塩基性茶16など「塩基性+色+色番号」で示されます。

塩基性染料を用いた染毛料の染毛構造は、毛髪表面のケラチンタンパク質のマイナス部分とのイオン結合です。
つまり、塩基性染料はマイナス部分の多いダメージ毛には染料が吸着しやすく良く染まるという特徴を持ちます。
イオン結合を利用する染毛料には酸性染料用いた酸性染毛料(ヘアマニキュア)がありますが、酸性染料は分子内にマイナスの電荷を持った染料(色素)です。
酸性染毛料の染色機構は、毛髪を酸性にし、毛髪内をプラスに帯電させて、酸性染料のマイナスとイオン結合させて発色します。

つまり、塩基性染料と酸性染料は全く別のイオン性を持つことになります。ですから、塩基性染料と酸性染料を混合して使用することはできません。

また、多くのコンディショニング成分はプラスの電荷を持ちますから、酸性染料を用いた染毛料にコンディショニング成分を配合することは難しいのですが、塩基性染料を用いた染毛料には自由にコンディショニング成分を配合することができます。
そのため、塩基性染料を用いた染毛料は、手触りや仕上がりに優れる製品がつくりやすいという特徴も持ちます。

そして、塩基性染料の分子は比較的大きいことから、染色の持続期間が短いという短所を持つ半面、皮膚に付着した場合でも染着しにくいという長所も併せもちます。

塩基性染料を用いた染毛料は「塩基性カラー」などと呼ばれる場合もあるようですが、その特徴を良く把握し、使用目的や使用場合に応じて、酸性染毛料と使い分けることも大切だと思います。

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