酸化染毛剤に使用される染料には、「染料中間体」、「調色剤(カップラー)」、「直接染料」の3つのグループがあります。
酸化染毛料は、酸化染料の種類や組み合わせを変えることで、染毛色を大きく変化させることができますが、調色剤(カップラー)との組み合わせが染毛色に大きく影響します。
調色剤(カップラー)を水に溶かしただけではほとんど無色で、そこに過酸化水素水を添加してもほとんど変化はありません。
しかし、ここに染料中間体を加えると、染料中間体単独の色とは異なった色に発色します。
このように、調色剤(カップラー)は単独では酸化されても発色しませんが、染料中間体と組み合わされて重合して発色するもので、その組み合わせにより色にバリエーションをもたせることができます。このように、色を調節するができるということで、カップラーは調色剤と呼ばれます。
調色剤(カップラー)には、レゾルシン、メタアミノフェノール、パラアミノオルトクレゾール、塩酸-2,4-ジアミノフェノキシエタノールなどがあり、染料中間体との組み合わせで様々な色に発色します。
例えば、染料中間体であるパラフェニレンジアミンは単独では暗褐色に発色しますが、これにレゾルシンを組み合わせると、緑褐色に発色します。
また、メタアミノフェノールと組み合わせると赤茶色に発色します。
また、染料中間体がパラアミノフェノール単独の場合は明るい赤褐色に発色しますが、パラアミノオルトクレゾールと組み合わせると、濃橙色に発色します。
また、染料中間体がパラアミノフェノール単独の場合は明るい赤褐色に発色しますが、パラアミノオルトクレゾールと組み合わせると、濃褐色に発色します。
美容室などで使用される酸化染毛料は、染料の種類、組み合わせ、配合量を独自に調整することにより複雑な色をつくり出していますので、必ず数種類の染料中間体、調色剤(カップラー)、直接染料が配合されています。そのため、発色の異なる2つの酸化染毛剤を仮に1:1で組み合わせても、中間色には発色できないのです。
☆単独での発色
・染料中間体
パラフェニレンジアミン・・・暗褐色
パラアミノフェノール・・・赤褐色
・カップラー
レゾルシン・・・発色しない
メタアミノフェノール・・・発色しない
☆組み合わせの発色
・パラフェニレンジアミン
レゾルシン 「緑褐色」
メタアミノフェノール 「赤茶色」
パラアミノクレゾール 「赤紫色」
塩酸-2,4-ジアミノフェノキシエタノール 「青色」
・パラアミノフェノール
レゾルシン 「黄褐色」
メタアミノフェノール 「赤褐色」
パラアミノオルトクレゾール 「濃橙色」
塩酸-2,4-ジアミノフェノキシエタノール 「青紫色」