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酸化剤

酸化剤とは

パーマ剤第1剤の有効成分である還元剤は、チオール基(-SH)の末端(H)が外れることで相手を還元させる力を発揮します。毛髪のシスチン結合(-S-S:ジスルフィド結合)は還元剤から水素を与えられ、(-SH HS-)に切断されます。この化学反応が還元反応です。

パーマの工程で、この還元反応で切断された(-SH HS-)を元のシスチン結合に戻す役割をするのが、第2剤の有効成分である酸化剤になります。還元反応とは逆に、相手の水素(H)を奪い取ることで(-S-S-)に戻します。この化学反応が酸化反応です。

パーマ剤第2剤で用いられる酸化剤には、臭素酸塩(ブロム酸塩)、過酸化水素水、過ホウ酸ナトリウムが使用できますが、一般的には臭素酸ナトリウム(NaBro3:ブロム酸ソーダともいう)と過酸化水素水(H2O2)が広く使われています。

臭素酸ナトリウムは、pHが中性~アルカリ性では安定ですが、酸性では不安定な性質を持ちます。

一方、過酸化水素水は、酸性で安定、中性~アルカリ性で不安定な性質を持ちます。
また、臭素酸ナトリウムよりも過酸化水素水の方が酸化作用が強いため、過酸化水素水を用いた第2剤は臭素酸ナトリウムを用いた第2剤よりも放置時間が短縮できるメリットがあります。

しかし、過酸化水素水は反応性が高いため、過剰に放置した場合などは酸化が過度に行われてダメージにつながる可能性もあるので注意が必要です。

臭素酸ナトリウムと過酸化水素水によるウェーブ力や保持力などの差はほとんどないのですが、臭素酸ナトリウムは反応によりNaBr(臭化ナトリウム)という「塩(えん)」が生成されます。この塩の作用により毛髪を引き締め弾力のあるウェーブが得られます。過酸化水素水の場合は、この塩が生成されないので柔らかい仕上がりになるといわれています。

次に、酸化剤にはいくつか注意しなければならないことがあります。

・酸化剤は、金属などの異物の混入で分解されやすい性質を持っていますので、使用後は蓋を閉める、キレイなアプリケーターを使うなど取扱いの注意が必要です。特に過酸化水素水は反応性が高いので、注意して下さい。

・臭素酸ナトリウムと過酸化水素水の両方の第2剤を混ぜて、両者の特長を活かそうと考えそうですが、両者を混合すると過酸化水素の強い作用を受けて、臭素酸塩が分解されて有毒ガス(臭素)を発生するので、大変危険です。

・還元剤を含む第1剤と酸化剤を含む第2剤を混合すると、急激な酸化還元反応が起こり、混合液が高温になり危険です。

以上のように、パーマ剤は取り扱い方を一つ間違えると危険を伴うこともありますが、用法用量を正しく守れば安心してお使いいただけます。

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